ソーシャルアプリの現状と未来を考える 〜Startup Meeting vol.2 黒船上陸前夜 -日本から眺めるソーシャルアプリの未来
2010年2月15日に、TechCrunchが主催する「[jp] Startup Meeting vol.2 黒船上陸前夜〜日本から眺めるソーシャルアプリの未来〜」に参加しました。
グリーの田中 良和氏によるプラットフォームのお話、mixiの川岸 滋也氏によるソーシャルアプリのお話、ngiの金子 陽三氏によるファンドの話があり、ソーシャルアプリやそれが乗るプラットフォームを考える上で、非常に参考になる話を聞くことができました。また、デモプレゼンテーションでも、興味深いベンチャーが次々と登場しました。
はじめに
- 篠原氏
- Tokyo Camp
- デモとMeetup、TC50を目指す
- Startup meeting
- Startupの企業が学んでいくテーマを設定し、みんなで勉強する
- 企業を紹介し、交流する
- 今月から毎月開催
- 本日の流れ
- キーノート3本
- LT: 5分×5社のプレゼン
プラットフォームとしての「GREE」
- 田中 良和(GREE, Inc. 代表取締役社長)
- SNS as a Platform
- グリー株式会社の説明
- 5年前に個人で趣味で運営していたサイトを中核にし株式会社GREEをやっている
- 2008/12 東証マザーズに上場
- 役職員128名
- SNS、ゲーム、モバイルを中心に事業を展開
- インターネットを通じて、対ユーザ向けにサービスを行っていく
- 時代の変遷に応じて、色々なサービスを展開
- 振り返ると...
- モバイルへの仮説
- これからはモバイルが中心になると考えている
- ダウンサイジングがコンピュータの歴史にあるように、PC自体がダウンサイジングし、モバイルになっていくという流れは間違いない
- この流れでどういうサービスを作っていくのかを考えている
- パソコンを使っているというのは日本では一部の人で、モバイルユーザが対象としては多い
- 日本に住んでいる全員と考えると、より高いサービスクオリティが求められる
- よりエンターテイメント思考に、より一般的に
- SNS+ソーシャルアプリ
- 3年前から取り組んでおり、それを英語でいうとソーシャルアプリとなる
- 海外サービスを真似するとは全く別の話で、我々の解として展開したら、海外と同じ流れになっていた
- ソーシャルアプリの可能性の追求と楽しさの提供
- 4つの主力のアプリ:釣り★スタ、ハコニワ、踊り子クリノッペ、探検ドリランド
- 家庭用ゲーム機のゲームメーカのゲームとは似て非なるもの
- 家庭用ゲーム機はリリース前に2〜3年かけるが、我々はリリースしてから2〜3年作り続ける
- ユーザからの声をフィードバックし続ける
- 家庭用ゲーム機ではユーザが使っている動作を解析して、フィードバックするということはできない
- 設計思想に加え、求められる技術要素も異なっている
- 家庭用ゲームメーカでは、アクセスログを高速で集計する仕組みを持っていない
- 莫大なログが溜まっているので、それを瞬時に解析していかないと間に合わない
- それ自体がコアテクになりつつある
- モバイルへの仮説
- アプリ設計思想
- (モバイルのソーシャルアプリは最大級かつ長い間作り続けている会社)
- 短時間でも長時間でもできる
- 初心者も、ヘビーユーザも楽しめる
- 一人でも楽しく、複数でもより楽しい
- 無料でも有料でも楽しめる
- お金を払えない人は少なからずいる
- 収益構造上はすべて有料の方がいいが、サービスの最大化の面では無料がいい
- すべての年齢・性別に受け入れられる
- 数百万・数千万人が使えるシンプルさを保つ
- リアルでもバーチャルでも混在して使える
- バーチャルでもよりリアル思考なもの=SNS
- SNSを使っている人たちがよりバーチャルに使い始めることがある
- ユーザはリアルとバーチャルを意識していないし、より混在させないと使ってもらえない
- 曖昧模糊な世界に向かっている
- 夫婦でクリノッペを育てている=リアルなのか、バーチャルなのか分からない
- 区分けすること自体には意味はない
- 継続して開発、改善し続けられるチーム力が最も重要
- 自分が使わないサービスを作れる人が重要
- 想像力が重要
- 自分じゃない人の生活スタイルを想像しながら作れないと、マスのサービスは作れない
- コミュニティ監視
- コミュニティをどう運営するかがサービスにとっては大事
- UIやシステムがサービスを決定づけるわけではない、そこに集まる人がサービスを作っている
- プロモーション
- 雑誌、新聞、屋外
- 自分たちがメディアとしてバイラルをしかけながらも、プロモーションを展開している
- プロモーション活動を集計し分析する作業を日々行っている
- テレビ、雑誌、Webを複合的に連動するプロモーションを、我々自身が日本で最大級に行っている
- トヨタや花王等は色々なサービス・製品を出しているが、greeはgreeという一サービス。単体のサービスへの広告出稿としてはgreeは日本で最大の金額を投下。
- 利用者の状況
- 18歳未満よりも40代の方が多い
- 30代だけで42%もいる
- 日本で大型メディアを作ろうとすると30代向けになる。日本の人口の問題
- 売上
- 収益モデルは広告+課金
- これから
- ウェブの2大潮流:リアルタイム化+プラットフォーム化
- プラットフォーム+アプリを自社で運営しているが、これから外部に提供していく
- SNS as a Platform
- ゲームのアプリが最も使われているので、アプリのプラットフォームになるのは事実
- 独立したサイトから、ウェブのプラットフォーム上にコンテンツを作るという流れになる
- 楽天もある意味、ECサイトがモールというプラットフォームのなかに展開していると言える
- プラットフォーマーとなりながら、キラーアプリを展開し、こういうサービスを展開すべきであるということを伝えられる企業になりたい
- 様々なエコシステムを作る
- 今後の目標
- SNSは、検索やメールと並ぶ、ウェブの利用のキラーアプリになる
- 2〜3000万人が利用する、日本最大のコミュニティを想像する
- モバイルのみではなく、PCやiPhoneなどのクロスプラットフォームへ
- facebookは日本支社がある前から、日本で使われていた
- スマートフォン化を行えば、世界的にサービスを展開しやすくなる
- 日本発でグローバル化をし、Yahoo!/楽天のような日本を代表する会社を目指す
mixiアプリが拓くソーシャルアプリの世界
- 川岸 滋也(株式会社ミクシィ mixi事業本部 パートナーサービス部 企画グループ マネージャー )
- mixiアプリのプロジェクトマネージャー
- 1年半前から立ち上げを進めていた
- mixiについて
- mixiってなに?
- 友人の近況がわかったり、アプリを友人と使えるSNS
- 重要なのは「友人と一緒に使うから楽しい」。これがmixiであり、SNSである
- 友人と使うためにある「mixi」
- すべてのサービスは友人と使うためにある
- ソーシャルグラフが特徴
- 通常のコミュニティサイトは、一定のテーマに実際に知らない人が集まることが多い
- SNSは、実際の知人/友人とのコミュニケーションがベース
- テーマを決める必要はない
- 主要データ
- 決算はあまりよくなく、お支払いが多かった
- 首都圏と近畿圏で60%、女性が若干多い
- mixiってなに?
- mixiアプリの状況
- mixiアプリがもたらした効果
- 日記以外のコミュニケーション手段が提供できた
- mixiアプリの数
- PC:784個、モバイル:333個(2010/2/9現在)
- mixiアプリの利用動向
- 上昇傾向
- 月間ログインユーザ数推移
- モバイルに対応してから、右肩上がりのトレンドがある
- mixiアプリがもたらした効果
- ソーシャルアプリとは?
- ソーシャルアプリとは?の答え
- SNSって何?という質問と同じ
- 友人(ソーシャルグラフ)間で使うコミュニケーションサービス
- 友人と一緒に使うコミュニケーション要素が含まれるアプリケーション
- ソーシャルアプリに必要なもの
- コミュニケーション要素といっても、言葉だけじゃない
- 顔見知りだからこそ生まれる、うれしい・くやしい・悲しいといった人間的な感情
- これがソーシャル性
- ヒットアプリには必ず入っている
- 感情を伝える媒介になるのがソーシャルアプリ
- どんなネタでも、関係のなかに載せてあげることが必要
- 人気アプリにみる4つのポイント
- ソーシャル性
- マイミクと一緒にプレイしている空気感
- マイミク以外は表示させない
- 巻き込み性
- インバイトでバイラルを回していく
- 知っている友人に一緒にやろう、お前も付き合えというノリが重要
- 分かりやすさ
- このアプリってどうやるのか?と思わせたら離脱する
- 友達からの招待=お付き合いでやる。ちょっとでも面倒だとダメ
- 何をするかをファーストビューで伝えることで、脱落率を落とせる
- 継続性
- 診断系/占い系アプリは、1度やったら結果が決まって、それからどうするのとなってしまう
- ゲーム性や他のことで継続性を設計する必要がある
- ソーシャル性
- ソーシャルアプリの例
- サンシャイン牧場
- ずっとNo.1。アクティブ率も高い
- 友達とオフラインで会って、サンシャイン牧場の話/やりとりが起きる。それはすごく重要
- ハッピーアクアリウム
- 非常に高いアクティブ率がある
- マイミクとやるしかない
- 自分で飾ったマイミクに見せて自慢したいという感情によるコミュニケーション
- 後発なので、まだユーザ数は多くない
- サンシャイン牧場
- ソーシャルアプリとは?の答え
- ソーシャルアプリは来るのか?
- "来る"と思う2つのこと
- 事実:海外ソーシャルアプリの勃興
- Facebook上で育ったZynga、Playfish、RockYou等の成功は、ソーシャルアプリが「ある」ということを証明
- 仮説:新しいユーザ層を獲得する
- ソーシャルアプリはオンラインゲームではない。ゲーマーではない新しいユーザを獲得する
- 事実:海外ソーシャルアプリの勃興
- 海外のソーシャルアプリの状況
- 市場規模は英語圏だけでも1000億円と言われている
- Zynga社は2億人以上のMAUを抱え、年商200億円と推測される
- 新しいユーザは獲得出来るのか?
- 宮本茂氏「コミュニケーションを発生させることが本質」
- Kristian Segerstrale「従来ゲームをやっていたゲーマーではない層が中心になるパラダイムシフト」
- 発想の転換が重要
- ソーシャルアプリは、新しいユーザを開拓する、未開拓なマーケット
- 今までの発想、着装から転換する必要がある。従来発想では、オンラインゲーム等の既存市場と競合してしまう
- ×ゲームとして面白い→ソーシャル性をつけよう ⇒ ○コミュニケーション欲求→ゲーム要素を取り入れよう
- ×時間を買うアイテム、自分を強化するアイテムの販売 ⇒ ○ギフト・プレゼント、共有アイテムの販売
- "来る"と思う2つのこと
- 最後に
- mixiはSAP様と一緒にマーケットを作っていきたい
- PCとモバイルの両方に対応したプラットフォームはmixiだけ
アプリ開発のためのファイナンス革命「Applie(あっぷりぃ)ファンド」
- 金子 陽三(ngi group 代表執行役社長)
- 2000年からインターネットベンチャーへの投資事業をやっていた
- ngiはネット領域での、ビジネスインキュベーターのさきがけ
- ベンチャーへの投資の形が大きく変わってもいいのではないかという考えで作ってきたファンド
- 新しいプラットフォームの出現
- iPhone:グローバルに4,400万台
- mixi:8月にPC、10月にモバイル、オープン化
- モバゲータウン:1月にオープン化
- GREE:春からGreeコネクトスタート
- twitter:日本でもブームに
- facebook:日本本格進出
- android:2010年より本格的に端末が出回る
- iPad:春に日本上陸
- ChromeOS:タブレットPCが販売開始
- → すべてのプラットフォームがビジネスチャンス
- 世の中が変わる
- ユーザ:ライフスタイルが変わる
- 日常にインターネットが溶け込む
- 時間、お金の消費に変化
- 企業:ビジネスの仕方が変わる
- 既得ビジネスがソーシャルアプリ、メディアの発達で大きく変化していく
- ユーザ:ライフスタイルが変わる
- キーワード
- モビリティ(ユビキタス)
- スマートフォン、タブレットの普及
- リアルタイム性/地域性
- マネタイズ(アイテム、広告)
- ネット=無料から、様々な課金/広告の仕組みが開発されていく
- ソーシャル性
- ゲーム性
- モビリティ(ユビキタス)
- 時代の変化を見越してサービスに革新を!
- そこで疑問→本当に儲かるの?ビジネスになるの?
- アプリはいくらでできる?
- 企画→開発→申請→プロモーション→バージョンアップ
- 利益率を50%維持、プラットフォームに30%、開発に500万円かけると、1本500円のアプリで2.8万本、115円アプリなら12.4万本
- アプリを作る期間は?
- 他の収益事業に経営資源を投下したら幾らの売上に??
- 最初に会社を作られたベンチャー企業は、会社を回すために受託が必要になる。そこで貯めた収益を投下するが、それは非常にリスクが高く、うまくいくわけではない
- ぶつかる壁
- お金×時間
- 経営上の大きなリスク
- 開発資金の捻出
- 借入? お堅い日本の金融機関
- 増資? 今がタイミング?
- 株式投資は5〜10年単位で行う。こうしたサイクルが早まった世界観で、株式を第3者に渡して増資すべきなのか?
- 内部資金? 使って良いの?
- ngi groupの答え
- ソフトウェア/コンテンツ/サービスの流通革命⇒金融(リスクテイクと収益分配)にも革命を
- Applieファンド
- アプリケーションの開発資金を提供
- プロジェクトファイナンス
- 貸付ではない。株式の保有はない
- 個人投資家(=アプリのファン)から調達
- アプリケーションの収益をシェア
- プラットフォームは問わない
- アプリ開発者とユーザの接点
- http://applie.net/
- アプリをクチコミとレビューで探す
- 食べログのアプリ版
- iPhoneアプリ、mixiアプリに対応
- http://applie.net/
- Applieファンドのメリット
- 開発資金の捻出(ダウンサイドリスクが低減)
- 超過収益の利益機会を失わない
- 会社のオーナーシップに影響がない
- 投資家層=アプリケーションの応援団
- ユーザの相互連携
- Applieサイトでのマーケティング
- ファンド化事例
- ローハイド「FortuneTree」
- ニッポン放送、iPhone向けラジオアプリ「Suono Dolce」
- KAYAC
- 最後に
- 面白い世の中の潮目に面している
- 各プラットフォーマーが努力しているが、その上でサービスを展開するプレイヤーとして、変わっていく世の中のうえで、面白い/役に立つアプリケーションを、ngi groupとして皆さんと一緒に作っていきたい
Lighting Talk
gumi
- 国光氏
- ライトニングトークの主旨が分からず、会社概要を持ってきてしまった
- 30タイトル以上のソーシャルアプリを開発
- ソーシャルゲームとその他
- ほとんどがゲーム。その他がビジネスモデルがないから儲からないから
- gumiは両方とも張っている
- ユーティリティ系、診断・占い系
- 今年になってからゲームに展開「幕末英雄伝」
- 開始から10日で27万ユーザ、1日PV2000万
- グルメくじ
- foursquare、Gowallaのパワーアップ版
- foursquareのダメなところ
- 基礎データがない。ユーザがやるのでめちゃくちゃ
- 登録するメリットがない
- ソーシャルグラフを自分で作らないといけない。キャズムが超えられていない
- どこいった、何食べたを登録して、ポイントを貯めて、松阪牛を当てられるくじが引ける
- 自分だけなら1回だけど、友達がいれば複数回
- ほとんどの店舗が網羅されているので、foursquareより使い易い
- 3月オープン予定
- ソーシャルアプリ+リアルタイムが中心だったが、スマートフォン+ソーシャルグラフ+GPSが中心になってくる
dango
- 石橋氏
- 10年くらいゲームデザイナーをやっていた
- 任天堂でも十数本ゲームを作った
- 創業者は4名+1名
- いろんなプラットフォームやサービスに串を通して団子にする
- dango PLAY
- facebook、mixi、モバゲーのすべてに対応したアプリケーションを作れる
- 「Battle Defenders」
- Inside Social Gamesにも取り上げられた
- 「エドニワ」
- 国内ケータイ向けソーシャルゲーム
- 鋭意製作中
- mixiモバイル、モバゲーは、ほぼワンソース
- Facebook mixi PCへの移植も想定内
- CA MOBILE、Micro ADなどと一緒に鋭意製作中
- デベロッパー向けツール
サイブリッジ
- 副社長
- Webの受託開発をメインでやっている
- 「みんなの昆虫コレクション」
- 位置情報と連動し、今いる場所の周りの虫をゲットできる
- 150種類の虫
- facebookやmixiのPC版を利用していて、モバイルアプリケーションを利用している人は少ないのではないか
- 3日間で4万人
- アイテム課金
- 500円の網を買う人いっぱいいた
- あまり売上はよくない
- 招待割合が多い
イデアリスタ株式会社
- ホンキの音楽演奏型アプリ「MyTracks」
- 「あの感動」をたくさんの方に
- スタジオでみんなで合わせるのが楽しい!
- みんなもっとバンドやろうぜ!
- 社会人のバンド活動はむずかしい?
- 昔のメンバーで再結成はムリ
- 新メンバーは見つからない
- 忙しくて集まれない
- いろんなハードルをWebでとっぱらおう
- いつでも、どこでも、だれとでもバーチャルセッション
- 機能
- 自分の演奏をレコーディング
- 他人の演奏とミックスできる
- リアルなアンサンブルを体験するアプリになっている
- あらたなソーシャルグラフを形成しながら、コミュニケーションを図っていく
- MyTracksが音楽の楽しみ方を変える
- 簡単にいつでもセッションできるという新しいライフスタイル
- MyTracksが演奏をKeyとするあらたな市場を創る
- 音楽を演奏するために聞き込むユーザが増える
- 著作権は大丈夫?
- JASRACと契約締結
- mixiアプリは...
- アプリとしては動いている
- 権利処理の都合上、まだ公開出来ていない
- もうそろそろOKかも...
- 今後の展開
- 複数プラットフォームへの展開(GREE、facebook)
- モバイル展開(iPHone、Android)
- 応用展開:ハモり、校歌合唱など...







